ASDと強度行動障害となにか

子の障害はストレスだけど、考えることもある。

二次障害とか予防とか

強度行動障害の研修を見ていると

幼児期、学童期の療育的な支援の大切さを

学ぶことが多い。

間違った支援や、我慢や失敗は

誤学習を積み重ねてしまい

強度行動障害になることもあるという。

それは、そうだと思う。

行動障害と呼ばれるものは

自傷、他害が含まれるが

それは誤学習から起こるものだけではないと

私は思っている。

1〜2歳で見られる「頭打ち」

嫌なことや思いが伝わらず

自ら壁や床に頭を打ち付ける行動は

誰かが教えたことではなく

親に頭を打ちつけられた経験でもなく

本能的な行動だ。

自傷や他害も、本能的なこと

気質的なこと、

そういうものが含まれるのではないか。

それでも、二次障害や誤学習

強度行動障害の予防という

言葉が必ず並ぶので

福祉を学ぶ人たちは

目の前の障害者の行動障害を見ると

誤学習だ、二次障害だ、と言う。

そこに「気質」や「本能」は出てこない。

本人の思いや考えは、

「きっとこうだろう」という

推測でしかない。

推測も必要だが、二次障害や誤学習という

過去への諦めや批判だけではなく

どうしたらそうならないか、

それを考えていきたい。

長男についてわかってきたこと

長男についてわかってきたこと。

なぜ、時計やスケジュールや絵カードを

見たがらずに、壊してしまうのか。

自閉傾向が強くなりすぎて、

見たものと、自分が思ったものが

一致していないと、強く不安になるからではないか。

時計を見たときに、「◯時じゃないとダメ!」

と言って叩き壊す。

自分が思っていた時間と、実際の時間が違うことで、不安になる=許せない。

絵カードやスケジュールで、

楽しみが「先」ではわからない。

「今」もしくは「あした」くらいの

時間的な感覚でないと、理解できないから

不安になる。

見たものと、自分の頭の中が

一致することで、安心なのだと思う。

そんなこと、たいてい無理だ。

時間なんて、世界で決まっていて

長男に合わせて時計が進んでいるわけない。

だけど、知的障害の重さゆえ、

そこが理解できないのだと思う。

体験初日

初日、通所をおえて、ホームに送った。

グループホームの支援計画担当者が

「どんなことをしたいですか?」

「将来、何か目標がありますか?」

なんて聞かれたけれど、

知的障害が重度の長男は、

先のことの想像がつかないし

先のことを考えていない。

「とくに何もないです」って答えてた。


たぶん、正解だと思う。

わかんないよ、そんなこと。

目の前にある現実のみが

今、考えられること。


家から出て、ここで暮らすことの

長い年月の想像なんて、

本人は考えたこと、ない。

12日のショートステイの気分だ。


一緒に部屋に入って、荷物の場所確認。

自分で準備するものは

家とほとんど一緒の構造で、

無◯のやわらかポリエチレンケース

浅いタイプに、

TシャツはTシャツ、ズボンはズボン、

1ケースごとに1種類の衣類を入れて

床に並べる。


引き出しのように、パッと見えないものは

なかなか見つけるのが難しく

何度も出し入れしてしまうので

全部見えるようにしておく。


家と同じ。


それでも、電気のスイッチの場所とか

トイレの場所とか

やったことがない目覚まし時計のセット

(決まった時間に合わせているので、寝る前にonにするだけ)

エアコンの使い方。


普通であれば、何もなくても

自分で探すし、

工夫もできる。

床が冷たいと思えば、ベッドに上がるとか

床にバスタオル敷くとか

靴下をはいておくとか。

そんなことができない。


初日の送ったところで

課題が多い。


世話人さんには、障害の程度は重いことを

伝えて、去ることにした。


たくさん説明しても、

入らないし、どんどん不安になるから。


長男を置いて一人で帰る道。

あれもこれも、わからないだろうなあ

なんて考えながら、

「何とかなるだろう」と思って

気持ちを自由にした。








パニックと110番 忘備録

去年、110番通報をしました。

その忘備録。


相談支援事業所にようやく繋がって

そこで、事前に警察署に行って相談しておくとよいとアドバイスがあり、

警察署に行きました。


受付で「障害がある子どもが荒れて、他害、物損がひどく、相談しに来た。福祉の相談で聞いたので」と伝えたところ

生活安全課(だったかな?)に案内されました。


経緯や飲んでいる薬、現在の状況

家族のこと、いろいろ聞かれました。

薬に関しては

「これだけ飲んでいて、効かないってこと、あるんですか?」

「飲んでいるようで、飲んでいないってことはないですか?」と言われましたが、

飲んでいるんですよ


警察からは

「どんな些細なことであっても、また警察が到着する頃には落ち着いているだろうと思っても、すぐに110番してください」

と言ってくださいました。

また、集合住宅なので

申し出ればサイレンを鳴らさずに来てもらえるか、ということも大丈夫だそうです。


そこから半年後、本当に呼ぶことになりました。


それまでも、どうにもならず

精神科の救急案内や、

医療機関案内サービスにも

電話をして相談をしましたが、

「知的障害の自閉症」は、

救急サービスが使えないのだそう。


助けてあげられなくてごめんなさいね、

と言われました。


その日は

自分で忘れ物に気づき

気づいただけで不安定になり

あっという間に突き飛ばされ

殴る、蹴る、物を壊す、叫ぶ

本当に死ぬことを覚悟したので、

受話器を持ちましたが、そこでも叩かれ

そんな中で110番通報しました。


サイレンを鳴らさずにきてくれましたよ、

4人。


到着時はすでに少し落ち着いていて

警察官も安心したようですが、

「ダメだよ」の声かけでまた興奮しだして

止められていました。


事前に警察署に相談してあることを伝えて

落ち着くと分かっていても通報するように

言われていることも、

医療機関案内サービスに相談したことも

伝えましたが、


「警察は何もできません」と言われました。


どこかに電話をしていて、

「専門家にも相談しましたが、

知的障害がある人は、警察では何もできないんです」と。


弟も、一晩でもいいから隔離できないか

と訴えましたが、


「知的障害のある人は家族で何とかするしかない」


ということです。


結局、警察官とパトカーを見に行って、

「落ち着いた」ということで終了。


それから何度も、打撲を負ったり

物を壊されていますが

警察は呼んでいません。


あれ?

はじめに相談したところと、

ずいぶん対応が違う。


些細なことでもいいから

110番、してくださいね


あれは何だったのだろう。

警察も部署が違うと対応も違うし

申し送りもされないものなのか。

事前に相談したことの

確認もしないのだろうか。


なので、打つ手が無くなった

ということです。


絶望


でも生きていく。





情報収集

市内、近隣自治体のグループホーム

とにかく電話をかけて空きを聞くこと


と市のケースワーカー

相談支援の人から言われたので

点々ととった夏休みに

電話とメールをしてる。


まず、都内の一覧から、

市内や近隣のグループホーム

ホームページを探して、

知的障害か、精神障害

区分はどれくらいか、

アパートタイプか一軒家タイプか、

下調べをして

ダメ元で電話とメールをする。


コツコツと、繰り返す。


近隣自治体では

「空きはありません」

「法人に通う人、市内の人で、手一杯です」


市内は

「市内は無理です」

「優先される人が山ほどいます」


つまり、どこにも入れないし

空きが出ても紹介できないそうで。


親が高齢者であったり

両親のどちらかが要介護状態だったり

急に亡くなってしまったり

そんな人たちが待機なんだとか。


ここでも私が「仕事をしている」ことが

ネックになる。

仕事をしていることが

贅沢なんだそうだ。


どんなに物を壊されても

暴力を振るわれても

床でご飯を一人で食べていても

優先にはならない。


病気や怪我で、生きることが難しくなって

はじめてエントリーになる感じがしている。


先は長い。



情報収集

市内、近隣自治体のグループホーム

とにかく電話をかけて空きを聞くこと


と市のケースワーカー

相談支援の人から言われたので

点々ととった夏休みに

電話とメールをしてる。


まず、都内の一覧から、

市内や近隣のグループホーム

ホームページを探して、

知的障害か、精神障害

区分はどれくらいか、

アパートタイプか一軒家タイプか、

下調べをして

ダメ元で電話とメールをする。


コツコツと、繰り返す。


近隣自治体では

「空きはありません」

「法人に通う人、市内の人で、手一杯です」


市内は

「市内は無理です」

「優先される人が山ほどいます」


つまり、どこにも入れないし

空きが出ても紹介できないそうで。


親が高齢者であったり

両親のどちらかが要介護状態だったり

急に亡くなってしまったり

そんな人たちが待機なんだとか。


ここでも私が「仕事をしている」ことが

ネックになる。

仕事をしていることが

贅沢なんだそうだ。


どんなに物を壊されても

暴力を振るわれても

床でご飯を一人で食べていても

優先にはならない。


病気や怪我で、生きることが難しくなって

はじめてエントリーになる感じがしている。


先は長い。



強度行動障害で思うこと12

イライラしたい、怒りたい、

その怒りを爆発させたい。

叩いた音や痛みの感覚を求めたい。


そういう場合の行動障害を

環境調整だけでなんとかしようというのは

難しいのではないか?


叩いていい物、

壊していい物を準備することは

手段の一つではあるのだろうけど、

あまり現実的ではない。

本人が、そこに目を向けられるか。

代替えで済ますことができるのか。


好ましくない行動は

まずはじめに本人の観察が不可欠。

時間や前後の状況、

寝不足や空腹などの生理的なもの、

場所、気温、周りにいた人、音などの環境。

本人の行動や、パニックの時間。

育ちの過程で思い当たること。


好ましくない行動=環境調整

ではなく、まず観察。

理由の精査を

してほしい。


環境さえ整っていれば、

行動障害は「減る」かもしれないが

原因がそこになければ、

「ゼロ」にはならない。


減ればよいのか。


好ましくない行動は、

できれば「ゼロ」であってほしい。

誰だって、物を壊されたり

暴力を振るわれたら

1回でも嫌だろう。


わたしは、嫌だ。


今は、強度行動障害は環境調整で

"減る"

と言われ、何でもかんでも

「環境調整」が先に来ている気がする。

安易に「環境」のせいにしすぎていないか。


感覚刺激としての怒りをということに

早く気づいていれば、

と、私は少し悔やんでいる。